19/02/16
起きる。
初めての合宿、初めての長期間自転車旅であったにも関わらず、前日の遅くまで『パン屋再襲撃』を読んでいたためあっけなく寝坊。
慌てて坂を駆け下りるも初めてのパッキングが、それこそポリタンクがまだ入る余地のあるくらいのガバガバさで銀マットを落としてしまった。確か10分遅れで僕が本山に着くとひかけはかなりキレていてほとんど何も言わずに早朝の山幹をぶっ飛ばしてく。この時の僕はめちゃくちゃ頭が弱かったので彼が何時に新幹線を取ってくれたか忘れていたし、なんなら自由席だと思っていた。
そこからは、まあ、お馴染みのというか例の「新神戸駅財布置き去り事件」があり二人は別々の新幹線で移動することとなったわけだ。が、こんな事件でもなければ僕は遅刻の罪悪感に苛まれてプレを(少なくとも二人の間は)楽しむことができなかっただろうし、いい意味で似た者同士だと確認できた気がする、ありがとう。
岡山に着くと輪行をくずしている際におじさんに話しかけられた。今となっては慣れた地元の村人とのふれあいだがこの時の僕は本気で職質されたと思いやっぱり輪行は犯罪なんじゃないかと思った。邪魔さでいったら渋谷メルトダウンとあまり変わらないのでないかと今でも思う。
無事に一本遅い新幹線でやってきたひかけと合流することができた。彼が鉄ちゃんでなければこのプレはこの時点で呆気なく終了してたかと思うと世の鉄オタに感謝したくなる。
岡山市は大都会岡山と言われるようにそれなりに都会だった。個人的には静岡市にどこか近い雰囲気を感じた。
この日は福山まで行って城の下で寝てみようやということだったのでゆっくりだったのは昼までで倉敷のアリオで昼食をすませた後はひたすらに漕いだ。ひかけは高梁川の堤防のへりで消え、僕は広島県境の激ショボの峠(坂?)で置いていかれたりする。
それでも持ち前の無計画さにより4時過ぎに福山駅に着いてしまう。成り行きで尾道まで行くことになった。
尾道は一回生の時の夏に訪れたある意味では思い出深い場所であったのでなんともいえない感慨深さがあった。今日初めて出発して良かったと思った。
疲労で正直あまり記憶がないけれどこの日のテン場が西御所遊園地というなんともヘンテコな名前だった。パトカーに見つからないか本気で心配し、1夏あいつらは北海道でこんな世捨て人みたいなことをしていたことに素直に感心した。翌日のしまなみ海道に期待を抱きながら寝た。疲れているはずなのに心配事が次から次に頭に浮かんで眠れなかった。